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「人事評価」と「目標管理」を通じて、共有しておきたいこと | 組織づくりのための社内報 vol.02

“努力は評価に値しない。”

よく聞くフレーズですが、努力した事実を目の前で見ている人からすると「頑張りは認めるけど、成果に繋がらなかったから評価出来ない」なんて残酷な言葉でしかありません。しかし実際のところ、会社は成果の出ていない努力を評価することは出来ません。

なぜなら会社は社員への評価を「給与」で還元するものだからです。

努力の計測には個人差があります。そして個人差のある評価は組織にとってはただの忖度でしかありません。そのためにも会社が求める成果が「売上」なのか「品質」なのか「チームワーク」なのか、正しく理解する必要があります。

会社が何を成果と判断し、どの評価軸で給与に反映するのか、またそのために目標設定なるものは存在するのか。会社と社員の評価に対する意識の差分を無くすためにも、お互いの目線が揃った忖度のない一定の基準が必要です。

今回、組織づくりの強化に伴い「人事評価」と「目標管理」を刷新することになりました。その仕組みの解説を通じて社員のみんなにどのようなマインドセットで働いて欲しいのかを共有していきたいと思います。


1. 人事評価について

1-1. 評価 = 給与

1人で仕事をする場合であれば、努力で得た成果を自己評価として給与に還元出来ます。しかし、組織ではそのさじ加減は会社に委ねられます。
前回の記事「今の「課題」を知ろう | 組織づくりのための社内報 vol.01」でも書きましたが、「人事評価」は個人に存在せず会社組織にのみ存在する文化で、会社員にとっては無くてはならない存在です。

何を重視し、どこを指標に評価され、どのように給与に反映されるのか。頑張ったね!よくやった!さすが!などのメッセージだけに終わらず「働く社員」と「雇用する会社」の評価に対する目線はお互いに揃える必要があります。それは人事評価が社員にとって「給与に還元される仕組み」であり、会社にとっては「社員の働きを評価する仕組み」だからです。


1-2. 売上よりも自己成長

会社は利益を生み出さなければ、給与を支払うことが出来ません。
この利益と給与の関係性についてはベイジの枌谷さんのスライド「仕事と給与と評価の関係」を参照ください。※スライド1〜22

スライド内でも提唱していますが、利益に繋がる3つの働きかけには「自己」「社内」「社外」に対するコミット力があり、これらは全てキャリアを基準とした考え方です。これから会社に属する人は「ひとりで成し得ないことを実現するために会社員である」というマインドセットが必要です。それが人生100年時代の生き方であり、終身雇用の衰退した働き方です。

当社では会社としての売上よりも、個人の自己成長を評価指標とします。これはWeb制作会社(労働集約型)の特質として、働くメンバーの成長が会社の成長に繋がりやすい、という側面もありますが、個人として自分の働き方に向き合って欲しいという意図があります。


1-3. 社内外の格差を埋める「キャリアシート」

転職市場において“35歳限界説”がありますが、70・80歳まで働くのが当たり前になりつつある今、限界だなんて言ってられません。

会社員のキャリア構築において「社内評価よりも社外評価を重視しよう。それが自分の市場価値を理解することに繋がる。」と言いますが、社内での評価を意識しなければ給与に反映されない現実は虚しいものです。
特にクリエイターの場合は会社の方針や価値観によって評価は左右されてしまいます。

本来、社内での評価は実際の社外評価と等しくなければなりません。
そこでキャリアシートなるものを作成しました。

左:「クリエイター/業界として」の個人評価軸
右:「UNIONNETメンバーとして」の会社評価軸
中:レベル(LV.10〜LV.25、LV.26〜)によって給与が変動

「売上よりも自己成長」で評価する仕組みがココで、それぞれをリンクさせ社内評価と社外評価の差異を少なくすることが目的です。もちろんこれは時代によっても変動するため、あくまで現段階での指標です。

このシートを評価基準とする1番の理由は、当社がその業界の最前線ではない限り、働く社員にとっては常に自分のキャリア市場価値を見つめる必要性があると考えているからです。そしてその延長に自己成長があり、会社への還元があると考えています。

※掲載しているキャリアシートは実際のものと異なります


1-4. キャリアに基づいた「レベルシート」

併せてレベルシートも新設しました。キャリアシートに即したカタチで設定しています。報酬設定は社外秘になりますが、会社で働く人にとって年収の全体像は知るべき必要があります。

評価面談は年2回(6月〜7月/1月〜2月)の実施。従来のインセンティブ制度(契約歩合・DCI制度)は廃止し、賞与を年に2回(8月/2月)、半期毎の業績変動型で純利益の8%を総予算とし、全体へ分配する方式を取りたいと思います。

※個人への配分率は役員MTGにて決定


1-5. 自分を知るための「360度評価」

キャリアに目を向けよう、の前に自分の事を理解する必要があります。セルフブランディングで言えば、自身のブランド力は他者認識です。セルフブランドは自分で創り上げるものではなく、周りからの見られ方や価値観で決められます。

自分自身では「出来ている」と感じている事でも、周りから見ると完成度が低かったり、出来てはいるけどもっとこうした方が良くないか?と感じることも多々あります。いくら風通しが良いと言っても社歴の長い社員や年上の社員には心理的に意見しづらいものです。

そこで自分を知るための「360度評価」を実施します。ただし、この360度評価の結果はあくまで補足資料として、評価には直結しません。また、一定のレギュレーションを設けますが、結果は全体に公開しそれぞれが周りからどのように見られているかを互いに認識し合う事で、個人の強み・弱みの相互理解を深める事も目的としています。


1-6. 現場評価者の主観が入らない「代表面談」

最終評価は360度評価の結果を補足資料とし、キャリアシートに基づき代表面談にて評価します。ヒエラルキー型ではない当社の場合、部署の上長の評価が入るとどうしても主観的になってしまいます。ここ最近では制作業務だけではなく運用や広告業務のクロスワークも増え、個人に対する作業状況の把握にバラつきが生まれてしまっているのも事実。

一般的にはそのために工数やスキルを数値化し定量化を図るのですが、それでは働き方の目線にブレが生じるため、お互いの目線が揃うようにこの記事を書いている私との代表面談にて行うシンプルな構造にしました。

本来、人事評価には「目標設定」がセットになっているケースが多いです。期初に目標を設定し、アクションプランを細分化、期末に結果を振り返り人事評価とする。この一連の流れがあります。しかし、これまでの目標設定では「目標を覚えていない」「現場の状況により目標が変わる」「そもそも定量化するものではない」など、失敗要因を挙げればキリがないですが…廃止することにしました。

今後、目標設定と人事評価は完全に切り離し、「仕組み」のみ存在することになります。


2. 目標管理について

2-1. パフォーマンスを高めるための仕組み

目標設定と人事評価を切り離したからと言って、会社に対するコミット力が低くても自己成長していれば評価される、というわけではありません。キャリアシートにもありますが、社員のエンゲージメント率は評価に直結します。すなわち会社に属する理由を持たずに、惰性的に働く人は評価に値しません。

そこで目標設定が必要になるのです。

目標設定は全ての社員の働く理由を定義付けるために存在します。その目標を管理することで会社・チーム・個人が「パフォーマンスを高く働く仕組み」になるのです。会社がより合理的かつ効率的に回るためには必要不可欠な仕組みです。


2-2. 新しい目標管理の手法「OKR」

目標の管理にはOKRという手法を導入していきます。

GoogleやFacebookなどIT企業が導入している組織管理の手法で、近年ではメルカリやsansanなど国内でも導入が進んでいます。

OKRは、Objective(目標)とKeyResult(重要な結果)の頭文字で表したものです。会社の目標からそれに連動する結果を、会社→チーム→個人とツリー構造で考え、連動させていく考え方です。会社からすると方向性を定めやすく、社員からすると普段の業務が会社の未来にどう繋がっているのかが明確になります。

現在、社内でよく聞く課題として「部署間の情報共有が出来ていない」があります。“自分の案件に対しては愛着があるが、他人の案件に対しては無理に関与しようとしない”という事です。

この問題に対し、根源となっているのが目標管理です。そもそも現在、会社として明確な目標を掲げていなければ、それに対する行動も明確にしていません。個人がその瞬間、最大限に努力してきた結果が今に繋がっているのであり、これは会社としての成長ではなく、個人の成長によって成し得た属人的な結果でしかありません。

OKRは会社・チーム・個人の目標を可視化することで、日々の取り組みが明確になり、手応えある結果を得ることができます。

併せて、OKRには次のような特徴もあります。

✓ 目標設定のサイクルが1ヵ月~四半期と短い
✓ 社内で共有するフォーマットが同じなので、チーム間の理解を深めやすい
✓目標が全体共有されているので、仕事の貢献度合いが実感しやすい
✓年1の目標ではなく短期的な取り組みなので、目標に集中しやすい
✓人事評価(報酬評価)と直結しないので挑戦志向を持ちやすい

“短いサイクルで社員が同じ方向を目指す”。OKRは強いチームを創り上げるための取り組みでもあるのです。

※実際に設定を行ったツリー構造の図(OKRマップ)は、四半期ごとに全体共有していきます


2-3. 浸透のため「外部ブレーン」を加入

具体的な取り組みとしては次の事項があります。

チーム
・四半期毎のOKR設定(ワークショップ形式にて実施)
・週1のミーティング(OKR振り返り)
個人
・月1の1on1ミーティング(OKR振り返り)

導入・運用の肝には浸透力がポイントになってきます。しかし、前提としてOKRとはどういうものなのか?運用はどのように行うのか?目標設定のポイントは?など、OKR導入にあたり事前に理解する事や陥りやすい失敗点を全社員が抑えておくべき必要があります。

そこで今回、環境構築ブレーンとして外部の方に協力頂く事にしました。
※諸事情によりココでその人の名を挙げることは出来ません

新しい取り組みには推進力や状況確認が重要です。私ひとりで行える力の限界もありますし、よりスピード感を持って浸透させ安定した運用を行うためにも、自分の分身となって動いて頂こうと考えています。また具体的な立ち位置や参画時期などは追って、別の機会にお知らせします。


2-4. ミーティングや1on1の結果は「HR Brain」に

OKRや1on1の実施にあたり、目標に対する振り返りの管理は、HR Brainという人事評価ツールにて行います。

ここでこの記事をよく理解している方なら気付くと思いますが、先程「目標管理と人事評価は直結しない」と言いました。しかし今「目標の管理には人事評価ツールを使え」と言っています。

ズバリ、気にしないでくださいw

言葉の通り、目標の達成率は評価には繋がりません。ただ、自分で決めた目標を達成出来ないことは、結果的に自己成長にも繋がらないと思います。このHRBrainでの目標の経過や努力の軌跡はログとして残し、代表面談での参考資料として使用します。


まとめると・・・

人事評価
◎ 評価指標は“自己成長”
◎ キャリアシート・レベルシートを元に代表面談にて決定
◎ 360度評価の結果は全体公開し、面談時の資料とする
◎ 評価面談は年2回(6月〜7月/1月〜2月)
◎ 賞与は年に2回(8月/2月)
※半期毎の業績変動型で営業利益の8%を総予算とし、メンバー全体へ分配(個人への配分率は役員MTGにて決定)

目標管理
◎ 目標設定(達成率)は評価に直結しない
◎ 目標管理にOKRを導入する
◎ 週1のチームミーティング、月1の1on1ミーティングを実施
※MTG内容の議事録はHR Brainにて管理

その他
OKR、1on1の導入・浸透にあたり、外部ブレーンが加入

本質的に理解して欲しいのは、この人事評価・目標管理のテーマは「強い組織づくりのための仕組み化」だということ。

人事評価は“自分の働き方やキャリアに目を向ける”ための仕組み。目標管理は“挑戦しながら短いスパンで自分の働き方を改善していく”ための仕組み。

この仕組みを組織の文化として創り上げることが、最大のミッションになります。

・・・と、ここは私が経営者として掲げているミッションなので視座の異なる話ですが、概要としての理解をしてもらえると、これからの取組みもスムーズで助かります。

長くなりましたが、理解が難しい点や疑問に感じた項目などあれば随時チャットください。(チャットで難しそうな場合はランチ行きましょう笑)

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丸山享伸

“はたらくを楽しく”したいWeb制作会社 代表。小さな会社の経営者として、日々現場を通じて感じる「働き方」や「組織づくり」について書いています。 twitter ▷ https://twitter.com/maruyaman1984

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